走りに慣れてくる頃が一番危険

今日はゆっくり行こうと思いつつサドルを跨ぐが、直ぐに忘れる。オケツを上げ前傾姿勢を深めペダルを回し始めると直ぐに身体が発熱してくる。

寒さ厳しき折、当たる冷気が激しく身体の表面温度を奪う。薄い頭髪で頭蓋骨がキンキンに冷えてくる。熱いのか寒いのか判らない状況となり、混乱し、訳がわからない状態で、飛ばすのもおつなもんなのだ。

信号で止まる。一番左端に止まるのが自転車乗りとしての最低のルールだ。
自転車通勤を初めてかなり経った頃、大きい声では言えないが、対向車線を走った。渋滞の車列の左側、歩道との間をちょろちょろ走ってゆくのが面倒になったこともあったし、突如ドアが開いてかなり危ない目にもあったことがある。

どうせ赤信号で対向車線の車だって止まっている。幸いにも腕を少々伸ばし背筋を伸ばすと自転車からの目線は車の頭上を越える。見れば、案の定対向車線に車はない。緩い左カーブであり、対向車線に自然とハンドルが向いた。

信号待ちで止まっている車を左に見ながら、からっぽの右側車線を安全にかなりのスピードで走れてしまった。何だかやみつきになりそうだが、こういうことは、やっちゃいけません。

下り坂を車と同じスピードで走ることは十分可能で、何度かそんな走りを経験しているが、危ない目にも一度あった。前方に、左側のビルの駐車場に入ろうと左に折れる車が現れると、こちらとしては急に左折してきたと思いがちだが、車を運転している側はそんな気配りは見せないのが普通だ。

下り坂での急停止は自転車にはできない。それでも思いっきりブレーキングするのだが、後輪がロックし滑る。慣れないとそのまま転倒するか、車にぶつかる。私の場合には、さほどスピードが出ていなかったのが幸いして、少々後輪を滑らせただけで止まれて難を逃れたが、かなり肝は冷やした。自転車は急には止まれないことを実感し「気をつけよう」との反省を得た。



時速50キロを超える
ギアは当然、前後共にトップ。重いペダルをしゃにむに回す。見ている道路幅がどんどん広がる。危険回避の為の初期動作準備が先に立つ。そう、常に恐怖が先に立つが、スピードを出せば出すほど、自転車は安定してくるのも実感できる。

車の場合には視界が狭まってくるのに、ロードバイクは何故か逆だ。サドルへの体重負荷は殆どゼロ。ハンドルを握る腕には力が入り引っ張り上げるように握っている。目は血走り前方に向いている。競輪選手のように下を向き、もがいて走るようにはならない。

たぶんほんの数秒のことでしかないが、正に全てを忘れての充実の悦楽を感じることができる。が、それだけ未熟だということでもある。余裕を持って走ってないということ。路面状況を熟知している勝手知ったる下り坂でしかできない。



ロードバイク初心者の浅はかがあるだけで、しょっちゅうこんなことして遊んでいるわけではない。普段は小心者の怯えた走りをしている。たまにスピードを出すこともあって、怖いのでヘルメットを着用するようにもなっている。

少なくともオートバイのライダーに道交法で義務づけられているような頑丈はない。わずかに数百グラムのヤワなモノだ。自分の頭を守りたいときには、良く整備された安全な自転車に跨り、道交法を遵守し、自ら事故を起こすことのないような走りが先決だろう。

時速50キロを超えるようなスピードで走って、事故った時には尋常ならざるダメージを受けるのは当たり前のことで、他人様に迷惑の掛からないような走りをすべきなのだ。


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