走行性能の基本は「走る、曲がる、止まる」から成り立っている

走行性能の基本クルマやモーターサイクルと同じく、自転車の走行性能も基本は「走る、曲がる、止まる」から成り立っている。この3つの性能でいちばん大切なのは、ダントツで止まるである。

20年近く前、 今はなくなってしまったパーツメーカーの担当者と話をしていたら、 ロードバイクのブレーキは止まるためのモノじゃない。大切なのは減速感。だから、開発は難しい。リムを止めるだけなら簡単にできると教えてくれた。

そうなのだ、ブレーキはパッドでリムを挟んで減速させているが、闇雲にパッドの摩擦抵抗を高くすればいいってもんじゃない。絶対的な制動力は必要だが、どれだけコントロールしやすいかが重要なのだ。そして、ブレーキ性能を引き出すには様々な要素が絡み合うので、評価するのも難しい。

たとえば、 アウターワイヤはビニールテープを使ってバーテープの内側に固定しているが、このビニールテープの巻き方1つでフィーリングは変わってしまう。

さらに、 アウターワイヤの末端処理が雑でも、露骨にタッチは悪くなる。ほかにもブレーキの操作感を台なしにするファクターはあるが、これらを初心者が見抜くのは無理だろう。でも、原因を見抜き、改善できるファクターもある。

それはブレーキワイヤに純正品が使われているか確認することだ。完成車で30万円以下のバイクは、アウター&インナーワイヤーに純正品が使われていないことがある。

シマノにしてもカンパニョーロにしても、純正品にはアウターワイヤを覆っているビニールの部分にメーカー本来の性能が出ていない可能性が高い。

一般的にアウターワイヤは、しなやかなほど優秀だと思われている。しかし、それは間違った常識だ。タッチが軽く、スムーズな操作感を得るにはワイヤラインは長すぎず、短すぎない長さで、きれいな弧を描くのがベストだ。

そのため柔軟性に優れたアウターワイヤーがいいと勘違いされているが、レバーを引いたときにアウターがたわんで動くと、その分だけブレーキ本体が動かなくなる。すると、 レバータッチがフニャフニャになってしまう。ブレーキレバーを操作したときに軽く動くので分かりにくいが強めにブレーキレバーを握りこんだとき、制動力が落ちてジワーッと止まるようであれば、原因はワイヤだと思っていい。

なぜ、性能が落ちるのに非純正品を使うのか?もう答えは分かるだろうコストカットである。 わずかな価格差でも安ければ、大量に仕入れるメーカーには大きな差になる、そうやって爪に火をともすような苦労をして、セールスポイントを作り出すために目立たないところでコストを削っているのだ。

非純正品には純正よりも高価なアウターもある。しかし、すべてを使ったわけではないが、純正にかなうモノなしだと思っている。 コンポーネントパーツというのは統合的に考えて設計されており、ワイヤ1つでもしっかりと計算されて作られているのだ。
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